AX & J3100 Keyboard -- AX & J3100 キーボード
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 知人が富士通製のAXキーボードが入手できるというというので僕の分も購入してもらいました。以前にも同じように入手したAXキーボードがあり、これで所有しているAXキーボードは2台になりました。
 AXキーボードAXパソコンに採用されていたキーボードです。AXパソコンはPC/AT互換機用のソフトをそのまま利用できるように、PC/AT互換機のハードウェアに日本語処理機能を追加したパソコンの仕様です。現在ではAXパソコンは実質的に姿を消しています。
 そのAXパソコンに採用されていたAXキーボードは日本語キーボードですが、その配列は現在主流の106/109日本語キーボードと異なります。AXキーボード101英語キーボードにそのままカナを割り当て、必要最小限の日本語処理用のキーを追加たような仕様となっており、106日本語キーボードよりも101英語キーボードに近い配列となっています。事実、AXキーボードは完全に101英語キーボードとして利用でき英語版ソフトが何の問題もなくそのまま使えます
 AXキーボードによく似たキーボードに東芝のJ3100キーボードがあります。これはAXキーボードとまったく同じといってもいいのですが、[変換]、[無変換]キーがないのでスペースキーが長いのです。ついでに、最近のDynaBookは106/109日本語キーボードの配列になってしまいましたが、以前のDynaBookはJ3100キーボード配列だったのです。僕の所有しているDynaBook SS433(cairns)がJ3100キーボード配列です。
 AX/J3100キーボードのメリットは、
  • 左[Ctrl]キーが[A]の横にある
  • [Esc]キーが[1]の横にある
  • [漢字]キーが独立している
  • 106/106日本語キーボードをサポートしていない環境では101英語キーボードとして使える
といった点です。
 左[Ctrl]キーと[Esc]キーの配置は、[Ctrl]キーを多様する僕にとっては非常に大きなメリットです。また、106/109日本語キーボードでは日本語入力のオン/オフを切り替えるのに[Alt]+[全角/半角]キーを押す必要がありますが、AX/J3100キーボードだと[漢字]キー一発で切り替えることができます。この点も半角英数入力を多様する僕にはありがたいのです。
 このようなキー配列の問題は106/109日本語キーボードを使っていてもキー配列を入れ替えるツールを使えば解決できますが、DOS/Windows 95/NTはちゃんとAX/J3100キーボードに対応しているので特別なツールを用意したり設定を変更する必要がないのです。
 ついでに説明しておきますとAX/J3100キーボードは右[Alt]キーが[漢字]キー、右[Ctrl]キーが[英数/カナ]キーとして機能します。
 これはメリットになるかどうかわかりませんが、AXキーボードには109/104キーボードで追加された[Windows]キーが何故かありますAXキーボードには106/109日本語キーボードでの[Esc]キーの位置に[AX]キーという独自キーがあるのですが、Windows 95では[AX]キーが[Windows]キーとして機能します(J3100キーボードにもAXキーが配置されているものもあります)。

 逆にAX/J3100キーボードのデミリットですが、

  • 英数記号の配列がJIS配列ではなくASCII配列
  • [無変換]、[変換]キーかあるのでスペースバーが短い
といった点が上げられます。
 僕はJIS配列とASCII配列の違いは昔から両者を使っているので気にならないのですが、人によっては英数記号の配置が異なるのは気になるかもしれません。
 スペースバーが短いというか小さいのは日本語キーホード全般に言えることですが、AXキーボードならスペースバーはもっと長く確保できるはずなのに[変換]キーが無意味にでかいためにスペースバーが短くなってしまっているのが残念なのです(しかも腹が立つのがスペースバーより[変換]キーのほうがでかい)。[変換]、[無変換]キーはそんなに使わないから、これらを短くしてスペースバーを長くしてくれていればAXキーボードの配列はほぼパーフェクトです。僕が所有しているJ3100キーボードには[変換]、[無変換]キーはないので、スペースバーはとっても長くて使いやすいのです。

 近頃のかな漢字変換システム (IME) では[変換]、[無変換]キーは積極的に活用されていないりでこれらのキーはなくても困ることはありません。この点ではAXキーボードよりもJ3100キーボードのほうが使いやすいのですが、僕が持っているJ3100キーホードはどきどき妙な動作をするのが難点です。カーソルキーを動かしていると押してもない文字が勝手に入力されてしまうし、知らないうちに[Shift]キーが押されたままの状態になるのです。勝手に文字が入るのはパターンがわかっているので大きな被害はないのですが、[Shift]キーが押された状態になるというのは、ときどき惨劇を生みます。Windowsエクスプローラのファイル一覧でファイルをダブルクリックして開こうとしたとき[Shift]キーが押された状態にあると、連続した範囲を選択したものと見なされて大量のファイルを開いてしまいます。Windows用アプリケーションを使っているときでも知らないうちに[Shift]キーが押された状態になると、ソフトによってはクリックとかファンクションキーの操作ができなくなってはまってしまいます。今はシフトキーが押された状態になってもあるキーの組み合わせを押すと正常な状態に戻ることがわかったのでなんとかなってますが、最初は原因もわからなかったのでパニック状態でした。
 僕の所有しているJ3100キーボード(型番:J33KB001)がたまたまそういう問題を抱えているモデルなのだと思いますが、こういう問題があってもJ3100キーボードは捨てられません。
 AXキーボードJ3100キーボードも僕にとっては非常に魅力的なのですが、今や入手困難というのが問題です


2000.03.26 / 2001.01.16 追記

Windows 2000/XP で AXキーボードを使う

 Windows 2000/XP ではJ3100/AXキーボードのサポートがなくなってしまいました。
 キーボード用のドライバを変更しようにも、選択肢にAXキーボードの項目が存在しません。
 AXキーボードは 101英語キーボードとしても利用できますが、その場合はAXキーボードにある日本語関係のキーを使うことはできません。
 それでは困ると色々と調べていると、レジストリをいじれば Windows 2000/XP でも AXキーボードがちゃんと使えることがわかりました。

 キーボード関連の設定はレジストリの [HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\i8042prt\Parameters]セクションに記述されていますが、Windows NT 4.0 と Windows 2000/XP その設定を比較してみました。
 以下がその結果ですが、NT 4.0ではAXキーボードに、Windows 2000/XP では 101英語キーボードの設定されている状態で、関連のある項目だけを記載しています。機種や環境によっては、これ以外の設定項目も追加されています。

Windows NT 4.0 (AXキーボード) Windows 2000/XP (101キーボード)

LayerDriver                 ="kbdax2.dll"
OverrideKeyboardIdentifier  ="AX_105KEY"
OverrideKeyboardType        = 00000007
OverrideKeyboardSubtype     = 00000001

LayerDriver JPN            ="KBD101.DLL"
LayerDriver KOR            ="kbd101a.dll"
OverrideKeyboardType       = 00000007
OverrideKeyboardSubtype    = 00000000
OverrideKeyboardIdentifier ="PCAT_101KEY"

 これらの中でも特に重要なのが、

LayerDriver = "kbdax2.dll"
という部分で、KBDAX2.DLL がAXキーボード用のドライバにあたります。

 実はこの KBDAX2.DLL というファイルは Windows 2000/XP にも収録されていて、普通のインストールすると WINNT\SYSTEM32 フォルダにちゃんと格納されているようです。
 このファイルさえあれば、後はなんとでもなると思い関連するレジストリ設定を以下のように変更してみました。


LayerDriver JPN            ="KBDAX2.dll"
LayerDriver KOR            ="kbd101a.dll"
OverrideKeyboardType       = 00000007
OverrideKeyboardSubtype    = 00000001
OverrideKeyboardIdentifier ="AX_105KEY"

 黄色の部分が変更した個所です。うちではこの設定でちゃんとAXキーボードが使えるようになりました。
 なお、変更した設定を有効にするためにはシステムを再起動する必要があります。また、KBDAX2.DLL というファイルがちゃんと存在するか確認してから実行してください



2000.09.03 追記

Windows Me で AXキーボードを使う

 Windows 2000 でもそうでしたが Windows Me (Windows Millennium Edition) でも AXキーボードのサポートはなくなったようです。
 最初に説明したようにAXキーボードは基本的には 101英語キーボードと同じですから、Windows 2000/Me でも英語キーボードとしては使えます。しかし、それではおもしろくないので、Windows Me でAXキーボードを使えるようにしてみました。

 ただし、ここに記載する方法は最小限の情報だけで、具体的な操作方法までは説明していません。

 ここに掲載している情報は Microsoft やメーカーが保証する内容ではありません。著者も保証は保証しないし責任はもてません。失敗するとキーボードが使えなくなるかもしれません。

 Windwos Me にはAXキーボード用のドライバが収録されていませんので、Windows 98 に収録されているドライバで代用します。Windows 98 でAXキーボードを使っていれば、KBDJPAX.KBD というファイルが Windows 98環境の Windows\System フォルダに収録されていると思いますので、このファイルを Windows Me 環境から読める場所に複写しておきます。

 後は Windows Me の INFファイルを修正して、キーボード・ドライバを選択しなおすだけです。INFファイルを修正しておくと、キーボード・ドライバにAXキーボードが選択できるようになります。

 KEYBOARD.INF を次の情報を元に修正します。
セクション 追加内容
[DestinationDirs] KBD_FILES_ax    = 11
[MS_KBD] %*PNP0322.DeviceDesc%   = JAPAN_AX_KBD, *PNP0322
[JAPAN_AX_KBD] CopyFiles       = JAPAN_KBD_CopyFiles, JAPAN_KBD_CMD_CopyFiles, KBD_VxDs, KBD_FILES_AX
DelFiles        = KBD_VxDs_Del
UpdateInis      = JAPAN_AX_Inis, JAPAN.Keyb.Common.Inis
AddReg          = MS_NOALTKBD_AddReg, Keyb.Common.Reg, Old106Keyboard
[JAPAN_AX_Inis] system.ini,boot.description,,"keyboard.typ=%*PNP0322.DeviceDesc%"
system.ini,keyboard,,"subtype=1"
system.ini,keyboard,,"type=7"
system.ini,keyboard,,"kbdjp.kbd=kbdjpax.kbd"
system.cb,keyboard,,"subtype=1"
[KBD_FILES_AX] kbdjpax.kbd
黄色の部分が追加した内容です。[DestinationDirs]と[MS_KBD]セクションは最初からあるので、そこに内容に追加してください。

 KEYBOARD.INF を修正したら、コントロールパネルから [システムのプロパティ] を開きデバイスマネージャでキーボードのデバイスドライバを変更します。KEYBOARD.INF を修正しておくと、標準キーボードのモデルからAX日本語キーボードが選択できます。
 デバイスドライバを変更したとき、ファイル KBDJPAX.KBD が見つからないという警告が出ますので、Windows 98 環境から複写した KBDJPAX.KBD を指定してください。

 これで Windows Me でもAXキーボードが利用できます。


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