-- 圧縮ドライブについて |
Windows 95にはファイルを圧縮して格納することでドライブ内に格納できる容量を増やすことができるドライブスペース(DriveSpace)という機能が用意されています。
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ドライブスペースを使うメリットは、ハードディスクの使用料を節約できるという点です。したがって、ハードディスクの容量が十分に足りていれば、あえてドライブスペースを使う必要はありません。
ドライブスペースを使った場合のデミリットは、ファイルを読み書きする際に圧縮/伸長処理が必要なので通常のファイルを読み書きするよりも時間がかかるという点です。
いずれにしてもファイルを圧縮して格納する限り、ハードディスクに対してドライブスペースを使うと格納できる容量が増える代わりにファイルの読み書きの速度は遅くなると考えていいでしょう。→ (*1)
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ドライブスペースのメリットを生かし、デミリットを補いつつ、トラブル時の危険性もなるべく回避するためには、ハードデスクに圧縮ドライブ専用のパーティション(区画)を用意したほうがいいでしょう。→ (*2)
なお、ドライブスペースにはドライブスペース2とドライブスペース3のバージョンがありますが、ここではドライブスペース3を使うことを前提に説明します。→ (*3)
Dドライブはすべて圧縮ドライブとして設定するので、実際には Dドライブは使いません。Dドライブを圧縮ドライブとして設定した場合、新たな圧縮ドライブ用のドライブレター、たとえばHドライブを使ってアクセスします。圧縮ドライブであるHドライブは、通常の約2倍の容量が確保できますから、見かけ上 3Gバイトのドライブとして使えます。 Cドライブが 500Mバイトしかないのは心もとないと思うかもしれませんが、アプリケーションやデータは圧縮ドライブに格納するようにすれば大丈夫です。Cドライブが 256Mバイトだと容量的に厳しいかもしれませんが、スワップファイルを圧縮ドライブに置くこともできるので、Cドライブに無条件にファイルを格納してしまう巨大なアプリケーションをインストールしなければまず大丈夫だと思います。 このようにパーティションを分けるとCドライブがコンパクトになり、FAT32 を使わなくてもクラスタサイズが小さくなるというミリットも生まれます。→ (*4)
4Gバイトクラスのハードディスクでドライブスペースを使う場合は、パーティションの切り分け方が難しいかもしれません。
問題は FAT32 が使えないときですが、FAT16 ファイルシステムはパーティションサイズが2Gバイト以内という制限があるので、最低でも2つパーティションを用意する必要があります。システムドライブを1Gバイトとかにしてしまうと、まだ3Gバイトの容量が残りますので、合計で3つのパーティションを作成する必要があります。
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ドライブスペースはこれまで説明したように1個のファイルを仮想的なドライブとしてみなして使います。ドライブスペースを安全に使うためには、ファイルシステムが安定している必要があります。ここでいうファイルシステムの安定とうのは、ファイルが壊れにくいということです。
ファイルが壊れてしまう原因はいくつも考えられますが、もっとも多いのはファイルを書き込みモードで開いたままOSがハングアップしたりリセットしてしまい、ファイルシステムに何らの矛盾が発生してしこうことでしょう。
ファイルの書き込みは、
しかし、(3)のクローズ処理行う前にパソコンをリセットしたり電源を切ってしまうと、書き込みの途中だったファイルは壊れてしまう可能性があります。
普通はこのような事態になってもクローズ処理ができなかったファイルが壊れるだけなのですが、こうしたことが何度も続くとファイルシステム全体に影響が及ぶこともあります。最悪の場合、ファイルシステム全体が破壊されてしまう可能性もあります。
ドライブスペースを使う場合は圧縮ドライブ専用のパーティションを作成したほうがいいというのは、このトラブルを避けるためです。圧縮ドライブ専用のパーティションには通常のファイルの読み書きは行われないので、パソコンがハングアップしたとしても被害の拡大を防げます。
MS-DOS/Windows 3.1ではアプリケーションがハングアップするとパソコンをリセットしたり電源を切らないと復帰できない状態になることがありました。しかし、Windows 95は仮にアプリケーションがハングアップしても、OSがハングアップしない限り復帰させることができるようになっています。
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うちで使っているWindows 95マシンは、ほとんどすべてドライブスペースを使っています。
Case 1: Pentium MMX 200MHz PC/AT機、HDD 1.2Gバイト
システムドライブ(C:)はクラスタサイズが8Kバイトに収まる上限の509Mバイトで確保し、残りはすべて圧縮ドライブ(H:)として使っています。
Case 2: Pentium 166MHz PC/AT機、HDD 2.0Gバイト
2GバイトのハードディスクにWindows 95をWindows NTをインストールしています。Windows NT用の509Mバイトのパーティションを確保している点を除けば、構成はCase 1と同じです。 Case 3: DynaBook PORTAGE 650CT、HDD 1.3G
ドライブスペースを恩恵を一番受けているノートパソコンです。外出先からでもあらゆる用途に対応できるように色々なアプリケーションやデータを詰め込んでいます。格納されているファイルサイズの合計は1.5Gバイトあり、実際の容量を越えています。 Case 4: DynaBook SS433、HDD 500M
ハードディスク容量は500Mバイトという貧弱な環境ですが、ドライブスペースを導入することで見かけ上のハードディスク容量は700Mバイト相当になっています。巨大なデータを保存しなければ、十分実用になります。 |
Windows 95においてはシステムドライブ(Cドライブ)を圧縮して使うという無茶なことをやらなければドライブスペースは安定して動作するようです。
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ドライブスペース3に用意されている機能に圧縮エージェントというものがあります。
現在の Windows 95 で利用されているドライブスペースはドライブスペース2あるいはドライブスペース3です。
ハードディスクは領域を分割することで、1台のハードディスクで複数のドライブがあるかのように使うことができます。
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