========================================================================== disk image backup tool -- atback version 0.99a edition #00 (C) Copyright 1997, TARO ==========================================================================  atbackはハードディスクの内容をまるごとバックアップするためのツールです。 ハードディスクの全領域をバックアップするのでどのようなOSでもバックアップで きます。  バックアップ先にはハードディスクやMO/PD等のリムーバブルディスク,SCSI接 続のテープドライブ(DDS ドライブ)が使用できます。また.複数のディスクやカ ートリッジに分割してバックアップすることもできます。 ※ このツールは使い方を間違えるとハードディスク内の全データが消えてなくっ てしまう可能性があります。ほとんどの場合,失敗するとハードディスクの内容 は復元不可能な状態になります。このツールはこのような危険性を含んでいます ので,ハードディスクやOS,ファイルシステムについての知識・操作に自信のな い方は使用しないようにしてください。何らかのトラブルが発生しても作者は責 任を持てません。 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= §1-1 ファイル構成 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=  atbackは以下のファイルから構成されています。 ++------------++------++----------------------------------------------++ ファイル名 タイプ 説明 ++------------++------++----------------------------------------------++ ATBACK .TXT text 説明ファイル(本ファイル) ATBACK .EXE bin 実行プログラム ++------------++------++----------------------------------------------++ -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= §1-2 実行環境 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=  atbackはMS-DOS 汎用のプログラムです。MS-DOS のバージョンはV3.X系以降なら どれでも動作するはずです。Windows 95のMS-DOSプロンプトから実行することもで きます。  DOS /Windows 3.1 環境でインターフェースにSCSIを使用している場合にはデバ イスドライバとしてASPIマネージャを組み込んでおく必要があります。Windows 95 ではSCSIカードのドライバがあれば基本的には使用できます。  ただし,ハードディスク起動した環境からハードディスクをバックアップ/リス トア(復元)することは危険です。なるべくフロッピィディスクから起動した環境 で使用してください。 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= §1-3 使用,転載,再配付について -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=  このプログラムの著作権は作者が保持しています。  以下の条件に従って自由に使用してください。 1. 著作権表示を変更しないこと。 2. このプログラムを使用したことによって生じた損害はまったく保証し ない。 3. 作者はこのプログラムに不備があっても,それを訂正する義務を負わ ない。 4. 収録されているすべてのファイルを一括して配付すること。  感想・障害報告等,作者への連絡は, NIFTY-Serve PAH01170@nifty.ne.jp e-mail sp-taro@super.win.ne.jp まで,願いします。  電子メールでのお問い合わせは返事が遅れたり,あるいは返信のメールが行かな いこともありますので,予めご了承ください。  転載,再配付については作者の許諾を得る必要はありません。 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= §2-1 atbackの使い方 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= ■コマンドラインの書式 【書式】 atback [<コマンド>] [<オプション>] [<デバイス-1> [<デバイス-2>]] [@<ファイル>] 【パラメータ】 <コマンド> コマンドは次の中からいずれか1つを指定してください。コマンドの指定がな い場合,atbackはメニューモードで起動します。 □ -show_device … デバイス/ディスク情報を表示します。 □ -backup … バックアップを行います。 <デバイス1> にはバックアップ元のデバイス,<デバイス2> にはバックアッ プ先のデバイスを指定してください。 【例】 atback -backup SCSI:0-1 FILE:D:\DATA □ -restore … リストア(復元)を行います。 <デバイス1>にはバックアップデータが格納されているデバイス,<デバイス2> には復元するディスクのデバイスを指定してください。 【例】 atback -restore FILE:D:\DATA SCSI:0-1 □ -compare … コンペア(比較)を行います。 バックアップデータとディスクの内容が一致するか比較します。<デバイス1> にはバックアップデータが格納されているデバイス,<デバイス2> には比較 するディスクのデバイスを指定してください。 【例】 atback -compare FILE:D:\DATA SCSI:0-1 □ -test … テストを行います。 バックアップデータを読み込み,異常がないか調べます。<デバイス1> には バックアップデータが格納されているデバイスを指定してください。 <デバ イス2>は指定する必要はありません。 【例】 atback -test FILE:D:\DATA <デバイス1> <デバイス2> デバイスの指定方法は以下の通りです。 □ SCSI:<ホスト番号>-[-] SCSIデバイスをホスト番号とSCSI ID番号で指定します。LUN 番号は省略する ことも可能です。 【例】 SCSI:0-4 □ DISK:<ディスク番号> PC/AT 互換機のBIOSでサポートされるハードデイスクの番号を指定します。 【例】 DISK:0 □ [FILE:]<パス名> バックアップデータを格納するデバイスとしてファイルをパス名で指定しま す。キーワードのFILE: は省略することも可能です。<パス名>にはドライブ 名やディレクトリを指定できますが,ファイル名の部分は拡張子は指定しな いで5文字以内で指定してください。バックアップデータをファイルとして 格納する場合,ファイル名には3桁の数字と拡張子.ATBが自動的に追加され るためです。 【例】 FILE:D:\HDD <オプション> 各オプションの項目名に表示されている有効コマンドというのは,はそのオプ ションが表示されているコマンドと同時に使用したときに有効であることを表 しています。 S … -show_device B … -backup R … -restore C … -compare T … -test □ -maxsize <サイズ> 有効コマンド B 一度にバックアップできるデータの容量を指定します。バックアップデータ 一定の大きさで分割して格納したいときに利用します。 <サイズ>は容量をバイト数で指定するか,デバイスのブロックサイズと総ブ ロック数で指定できます。 容量で指定する場合は次のように指定します。 <数値>[B] … バイト単位 <数値>K … Kバイト単位(1K=1024バイト) <数値>M … Mバイト単位(1M=1024K) <数値>G … Gバイト単位(1G=1024M) ブロックサイズとブロック数で指定する場合は次のように指定します。 <ブロックサイズ>/<ブロック数> ブロック数はバイト単位で指定してください。 【例】 -maxsize 600M -maxsize 512/300000 □ -removable 有効コマンド - B R C T バックアップ先のデバイスは交換可能なリムーバブルディスクであることを 指定します。通常,リムーバブルディスクは自動的に認識しますが,何らか の理由で認識に失敗する場合に使用してください。 □ -blocksize <ブロックサイズ> 有効コマンド S B R C T バックアップ先のデバイスのブロックサイズを指定します。これは,SCSIで 接続されているテープデバイスに対して有効なオプションです。 <ブロックサイズ>は256〜32768バイトの範囲で指定してください。ブロック サイズの最後にKを指定するとKバイト単位(1K=1024バイト)での指定と なります。 【例】 -blocksize 16K □ -nobios 有効コマンド S B R C T PC/AT 互換機のBIOSでサポートされるディスクを検索しないようにします。 □ -noscsi 有効コマンド S B R C T SCSIデバイスを検索しないようにします。 □ -lun 有効コマンド S B R C T SCSIに接続されているデバイスを検索する場合,LUN 番号も使用します。 □ -bufsiz <バッファサイズ> 有効コマンド - B R C T ディスクを読み込きするときのバッファサイズを指定します。 <バッファサイズ>は1〜63の範囲で指定できます。デフォルトは63です。 実行中にメモリ不足(Out of memory)になる場合は,このオプションで バッファサイズを小さくしてください。 【例】 -bufsiz 20 □ -nocomp 有効コマンド - B - - - バックアップ時にデータを圧縮しないようにします。 □ -dicbits <辞書サイズのビット数> 有効コマンド - B - - - バックアップデータを圧縮する時の,辞書の大きさをビット数で指定します。 <辞書サイズのビット数>は9〜12の範囲で指定できます。ビット数が大きい ほうが圧縮率は高まります。 【例】 -dicbits 12 □ -crcin 有効コマンド - B - - - バックアップ時にCRC を計算してバックアップデータに格納します。 CRC がバックアップデータに格納されていると,比較やテストを行う場合に データの整合性をより厳密にチェックできます。ただし,CRC を格納する分 だけバックアップデータのサイズは大きくなります。CRC の格納には1ブロ ック毎に2バイトの容量を必要とします。 □ -keyword <キーワード> 有効コマンド - B - - - バックアップデータに格納するキーワードを指定します。キーワードは32文 字以内の任意の文字列が指定できます。キーワードに空白が含まれる場合は 文字列全体をダブルクオート(") で括ってください。 【例】 -keyword BOOTDISK □ -comment <コメント> 有効コマンド - B - - - バックアップデータに格納するコメントを指定します。コメントは64文字以 内の任意の文字列が指定できます。コメントに空白が含まれる場合は文字列 全体をダブルクオート(") で括ってください。 【例】 -comment "1997/08/18 BOOTDISK BACKUP" □ -autostart 有効コマンド - B R C T 各処理を実行する際,確認なしに自動的に実行します。 ただし,バックアップ先にリムーバブルディスクが指定されている場合,デ ィスクの交換を確認するメッセージは常に表示されます。 □ -loglevel <1|2> 有効コマンド - B R C T 表示するログのレベルを指定します。ログのレベルは1〜2の数値として指 定します。デフォルトでは1が指定されています。 1 … 基本的なログのみ表示します。 2 … 1に加えてより詳細な情報もログとして表示します。 □ -logfile <パス名> 有効コマンド - B R C T ログの表示内容を記録するファイルを指定します。 このオプションを指定したときには,ログ内容は指定されたファイルに記録 されます。 【例】 -logfile backup.log その他 □ -? … 説明の表示 コマンドラインの書式を簡単に表示します。この指定された場合,他のコマ ンドやオプションはすべて無効となります。 【解説】  atbackはコマンドラインにパラメータを何も指定をしないで起動するとメニュー モードで起動します。  コマンドラインにアットマーク「@ 」に続けてファイル名を指定すると,指定さ れたファイルの内容をコマンドラインに与えられたパラメータとして解釈します。 コマンドラインの長さがDOS の制限( 127文字)を超える場合に利用してください。 【使用例】 atback -show_device -lun atback -backup DISK:0 FILE:D:\HDD atback -backup -dicbits 12 DISK:0 FILE:D:\HDD atback -backup -nocomp DISK:0 SCSI:0-3 atback -backup -keyword "DISK-0" DISK:0 D:\DSK0- atback -restore FILE:D:\HDD DISK:0 atback -compare SCSI:0-3 DISK:0 atback -test FILE:D:\HDD ■バックアップの方法  atbackをコマンドラインに何も指定しないで起動するとメニューモード起動し, トップメニュー(TOP MENU)が表示されます。トップメニューが表示されたら次の 順番で操作してください。 (1) トップメニュー(TOP MENU)から,「2. Backup 」を選択します。 (2) 「1. Target device」を選択して,バックアップを行うバックアップ元のデ ィスクを指定します。 (3) 「2. Backup device」を選択して,バックアップデータを格納するバックア ップ先のディスクやファイルを指定してください。バックアップ先としてフ ァイルを指定する場合,格納先のパス名を入力します。 ※ バックアップ先のパス名はドライブ名やディレクトリの名前には制限は ありませんが,ファイル名は5文字以内で拡張子は指定しないでくださ い。 (4) 必要に応じて「4. Compression」を選択して,バックアップデータの圧縮の 有無とレベルを指定してください。レベルの数値が大きいほうが,圧縮率が 高まりますが,処理速度は低下します。 (5) 必要に応じて「6. Keyword」や「7. Comment」を選択して,キーワードやコ メントを指定してください。キーワードは32文字以内,コメントは64文字以 内で,任意の文字列を指定できます。 (6) 必要な事項を指定したら,「S. <<<<< START BACKUP >>>>>」を選択してく ださい。この操作でバックアップが開始されます。 ■リストア(復元)の方法  atbackをコマンドラインに何も指定しないで起動するとメニューモード起動し, トップメニュー(TOP MENU)が表示されます。トップメニューが表示されたら次の 順番で操作してください。 (1) トップメニュー(TOP MENU)から,「2. Backup 」を選択します。 (2) 「1. Target device」を選択して,リストア(復元)を行うディスクを指定 します。 (3) 「2. Backup device」を選択して,バックアップデータを格納したファイル を指定してください。 ※ ファイルを指定する場合,ファイル名の最後の数字3桁と拡張子.ATBは 入力しないでください。 (4) 必要な事項を指定したら,「S. <<<<< START BACKUP >>>>>」を選択してく ださい。この操作でリストア(復元)が開始されます。 ■処理の中断  処理を途中で中断したいときには[CTRL]+[Z] キーを押してください。  [CTRL]+[C] キーでも中断できますが,なるべく[CTRL]+[Z] キーを使うように してください。 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= §2-2 注意・制限事項 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=  容量が 530Mバイトを超えるハードディスクに対してWindows NT や PC UNIX上で パーティションを作成すると、BIOS経由ではアクセスできない領域が使われてしま うことがあります。このようなパーティションはBIOS経由ではハードディスクの最 後尾のデータにアクセスできないため、完全なバックアップはできません。  MS-DOS上でパーティションを作成した上で、インストールした環境では問題あり ません。  OSが格納されているハードディスクを,そのOSが起動している状態でバックアッ プ/リストアすることはできません。バックアップはできなくはありませんが,OS 使用中はなんらかのハードディスク操作が行われているで,完全なバックアップは 期待できません(MS-DOSやWindows 3.1/95なら,まず大丈夫とは思いますが)。リ ストアについてはまず無理だと思います。  したがって,ハードディスクのバックアップ/リストアはMS-DOSあるいはWindows 95の起動ディスクを使ってフロッピディスクから起動した環境から行ってください。  OS自体が格納されていないハードディスクについては,OSが起動している状態か らでもバックアップ/リストアすることは可能です。ただし,その場合ではバック アップ/リストア処理中は,そのハードディスクにアクセスしないように注意する 必要があります。特にWinodws 95ではユーザーが直接操作しなくても自動的にハー ドディスクにアクセスするプログラムがインストールされている可能性もあるので, バックアップ/リストアはフロッピィディスクから起動した環境で行うことをお勧 めします。  atdiskによるバックアップ/リストアは同一容量のハードディスクに対してしか 保証できません。  たとえば,ハードディスクAをバックアップした後,ハードディスクBにリスト アしたい場合,ハードディスクAとハードディスクBは完全に容量が同じである必 要があります。 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= §3-1 変更履歴 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= ■ ver.0.99a #00 ・プロトタイプリリース