2004.01.03
IDEハードディスクをSATA(シリアルATA)インターフェースに接続するための変換ボードをいくつか購入したので(→関連記事)、ハードディスクを接続して転送速度を測ってみました。
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- マザーボード GIGABYTE GA-8IPE1000 Pro2
- CPU Celeron 2.8GHz
- RAM 512Mバイト
- OS Windows XP Professional
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入手した変換ボード/SATA対応ケースは、
- システムトーク SATA-TR150
- ABIT SERILLEL2
- SYBA SD-SA2IDE-A1
- 玄人志向 SERIALATA1.5-SET
- RATOC SATA-MDK1
の5つです。
ベンチマークテストに使用したハードディスクはMaxtor DiamondMax Plus 9 6Y120L0(ATA/133,7200rpm)です。比較のためマザーボードのIDE/ATAインターフェースに接続した場合と、USB2.0変換ケース(RATOC U2-DK1)に接続した場合の速度も計測しました。
ベンチマーク テストは ソフトウェアライブラリ に登録しているDevTest を使いました。ただし、公開しているDevTestは書き込みテストは実行できません(書き込みテストを実行するとファイルシステムを破壊して危険ですので)。
以下がその結果です。各テストの内容等はDevTestのドキュメントを参考にしてください。
SATA ADAPTER BENCHMARK |
TEST |
ATA/100 |
システムトーク SATA-TR150 |
RATOC SATA-MDK1 |
ABIT SERILLEL2 |
SYBA SD-SA2IDE-A1 |
玄人志向 SERIALATA1.5 |
RATOC U2-DK1(USB) |
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SIZE |
|
|
|
|
|
|
|
Sequential Read/Start |
512B |
4804.5KB/s |
5202.6KB/s |
3904.9KB/s |
3913.2KB/s |
4343.5KB/s |
4048.3KB/s |
1103.6KB/s |
16384B |
59337.4KB/s |
59375.6KB/s |
55913.1KB/s |
56390.0KB/s |
56876.1KB/s |
56337.2KB/s |
18581.2KB/s |
65536B |
59361.0KB/s |
59346.4KB/s |
59346.5KB/s |
59361.0KB/s |
59397.4KB/s |
59331.9KB/s |
30780.0KB/s |
Sequential Read/End |
512B |
4799.3KB/s |
5177.8KB/s |
3897.0KB/s |
3904.4KB/s |
4310.8KB/s |
4068.2KB/s |
1096.4KB/s |
16384B |
33989.5KB/s |
34015.0KB/s |
33985.8KB/s |
33991.3KB/s |
33980.3KB/s |
34007.6KB/s |
18561.2KB/s |
65536B |
33998.6KB/s |
33998.5KB/s |
33998.6KB/s |
33969.4KB/s |
33991.3KB/s |
33998.6KB/s |
30765.5KB/s |
Sequential Read/Ave. |
512B |
4801.8KB/s |
5190.2KB/s |
3900.9KB/s |
3908.8KB/s |
4327.2KB/s |
4058.3KB/s |
1100.0KB/s |
16384B |
46663.4KB/s |
46695.3KB/s |
44949.5KB/s |
45190.7KB/s |
45428.2KB/s |
45172.5KB/s |
18571.2KB/s |
65536B |
46679.8KB/s |
46672.5KB/s |
46672.5KB/s |
46665.2KB/s |
46694.4KB/s |
46665.2KB/s |
30772.7KB/s |
Random Read |
512B |
36.4KB/s |
37.0KB/s |
36.9KB/s |
37.2KB/s |
37.5KB/s |
36.7KB/s |
35.6KB/s |
16384B |
1141.4KB/s |
1141.4KB/s |
1154.1KB/s |
1150.4KB/s |
1168.7KB/s |
1148.7KB/s |
1110.2KB/s |
65536B |
4281.5KB/s |
4295.8KB/s |
4305.5KB/s |
4332.6KB/s |
4347.2KB/s |
4296.2KB/s |
4027.1KB/s |
Sequential Write/Start |
512B |
3220.2KB/s |
3234.4KB/s |
2842.5KB/s |
2855.0KB/s |
2962.5KB/s |
2918.3KB/s |
997.3KB/s |
16384B |
61066.7KB/s |
54256.5KB/s |
57871.9KB/s |
57378.5KB/s |
59697.7KB/s |
59093.4KB/s |
16094.5KB/s |
65536B |
61640.2KB/s |
61844.1KB/s |
61895.1KB/s |
61749.4KB/s |
61880.5KB/s |
61683.9KB/s |
24903.6KB/s |
Sequential Write/End |
512B |
4089.1KB/s |
4467.0KB/s |
3397.8KB/s |
3453.0KB/s |
3613.0KB/s |
3520.0KB/s |
1039.2KB/s |
16384B |
36263.2KB/s |
36348.8KB/s |
36305.1KB/s |
36543.5KB/s |
36556.3KB/s |
36505.3KB/s |
16134.5KB/s |
65536B |
36219.5KB/s |
36328.7KB/s |
36481.6KB/s |
36532.6KB/s |
36510.8KB/s |
36488.9KB/s |
24918.2KB/s |
Sequential Write/Ave. |
512B |
3654.6KB/s |
3850.7KB/s |
3120.1KB/s |
3154.0KB/s |
3287.7KB/s |
3219.1KB/s |
1018.2KB/s |
16384B |
48665.0KB/s |
45302.6KB/s |
47088.5KB/s |
46961.1KB/s |
48127.0KB/s |
47799.4KB/s |
16114.5KB/s |
65536B |
48929.9KB/s |
49086.4KB/s |
49188.4KB/s |
49141.0KB/s |
49195.6KB/s |
49086.4KB/s |
24910.9KB/s |
Random Write |
512B |
68.9KB/s |
72.3KB/s |
70.5KB/s |
72.6KB/s |
71.8KB/s |
70.4KB/s |
72.0KB/s |
16384B |
1998.8KB/s |
2120.8KB/s |
2091.7KB/s |
2140.8KB/s |
2159.0KB/s |
2035.2KB/s |
2155.4KB/s |
65536B |
7507.4KB/s |
7842.4KB/s |
7551.2KB/s |
7609.4KB/s |
8075.4KB/s |
7645.8KB/s |
7791.4KB/s |
下のクラフはベンチマークテストの結果を元に、Sequential Read/Start、Sequential Write/Startの2つのテスト項目の、512B/65536Bブロックの転送速度をクラフ化したものです。
使用したハードディスクはATA/100インターフェースで直接使用した場合は、約60Mバイト/秒の転送速度が出ますが、SATAに変換してもその速度はまったく変わりません。
このクラスのハードディスクを使った場合にはベンチマークを行うのもあほらしいくらい横並びでほとんど差はないようです。
USB2.0接続の場合には、24〜30Mバイト/秒と本来の速度の半分程度に低下しています。
SATA変換アダプタについてはMarvell製チップを使ったシステムトーク SATA-TR150と、Silicon Image製チップを使ったABIT SERILLEL2、SYBA SD-SA2IDE-A1、玄人志向 SERIALATA1.5-SET、RATOC SATA-MDK1の2つに分類できます。60Mバイト/秒程度のハードディスクでは搭載チップによる速度差は出ないようですが、細かく見るとSilicon Image製チップを使った変換ボードは512バイト単位の小さなデータの読み書きで少しだけ速度低下があるようです。ただし、512バイトという小さな単位でシビアな速度が要求されるケースはほとんどないし、この程度の速度差はOSのキャッシュなどで吸収されるので、実際の使用ではほとんど差は出ないと思います。
まとめ
製品による性能の差はほとんど出なかったので、この手の変換アダプタを購入する場合は性能よりも物理的な形状にポイントを置いたほうがよさそうです(CD/DVDドライブ等のATAPIデバイスが使えるがとうかいう問題はありますが)。
というのはドライブやケース内のスペースによって変換アダプタを取り付けるのが難しいことがあるからです(形状についてはメーカの製品紹介や→関連記事の写真を参考してください)。
プラスチックケースに収められてるABIT SERILLEL2、SYBA SD-SA2IDE-A1は取り付けるドライブによってはコネクタを奥まで挿すことができずに取り付けが不安定になったり、電源コネクタが差し込みにくくなったりします。
玄人志向 SERIALATA1.5-SETについてくる変換ボードは、7cmくらいあるのでケース内が狭いと取り付けにくいことがあります。 取り付けに関しては、フラットケーブルのスタブのような形状のシステムトーク SATA-TR150が一番使いやすいような気がします。
まだ当面は従来のパラレルATAハードディスクをメインに使うことになると思いますが、シリアルATAとパラレルATAは相互に変換できるのですぐにSATAに切り替えても特に不都合はありません。
特にSATAにするとケーブルが細くなって取り回しが容易になるのが魅力です。
ケーブルが細くなることでケース内のエアフローがよくなるという話もありますが、うちではフルタワーケースに5台とか6台とかドライブをぶち込んだときにフラットケーブルの配線が大変なことになるのは切実な問題です。
パラレルATAだと1本のケーブルでマスタ/スレーブの2台まで接続できますが、ケース内のベイやマウントの位置によっては接続できない場合もあります。
SATAはケーブル1本にドライブ1台しか接続できませんが、とにかくケーブルが細くて楽に接続できます。
転送速度についても少なくとも60Mバイト/秒クラスのハードディスクであればパラレルATAから変換しても速度の低下はまったくないようです。
CD/DVD等のドライブまでSATA化するのはまだまだ先となると思いますが、ハードディスクについては徐々にSATA環境を増やしていこうかと思っています。
【関連記事】
→ 2004.09.22 SATA RAID ストライピング編
→ 2003.12.26 SATAインターフェース&変換ボード購入
【参考資料】
○INTEL
→http://www.intel.com/
○INTEL (Japan)
→http://www.intel.co.jp/
○Maxtor
→http://www.maxtor.com/
○Maxtor (Japan)
→http://www.maxtor.co.jp/
○玄人志向
→http://www.kuroutoshikou.com/
○SYBA
→http://www.syba.jp/
○ABIT Japan
→http://www.abit4u.jp/
○システムトーク
→http://www.system-talks.co.jp/
○Marvell
→http://www.marvell.com/
○Silicon Image
→http://www.siimage.com/
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